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2024.05.20

税務調査はどこまで調べる?何年分までチェックするのか、詳細解説!

カテゴリー
会計・税金
税務調査はどこまで調べる?何年分までチェックするのか、詳細解説!

概要

「税務調査が来たら、どこまで調べられるの?」「個人と法人で対応は違うの?」「何年分まで遡られるの?」これらは、税務調査に直面した際、すべての経営者や資産家たちが思い浮かべる疑問です。税務調査は、ただ単に税法に従った申告がされているかをチェックするだけではありません。この記事では、税務調査の範囲、どのような資料が対象になり、個人と法人でどう異なるのか、具体的に解説します。

目次

    税務調査の範囲(どこまで調べる)

    税務調査は、納税者が税法に従って正確に納税しているかを確認するために行われます。税務調査の範囲は広範囲にわたりチェックされます。

    調査対象(税金)

    税務調査は所得税や法人税だけでなく、消費税、源泉徴収税、印紙税、固定資産税など、事業に関連する全ての税金が調査の対象になります。特に相続税においては、申告者(相続人)が税務調査を受ける確率が高くなっております。

    対象期間

    通常は過去3年間の申告書や帳簿が調査対象ですが、不正や虚偽がある場合は過去7年間まで遡って調査されることもあります。

    対象資料

    税務調査では、事業活動に関連する全ての資料が対象となります。クラウド上のデータや電子メール、会計ソフトのデータも重要な調査対象です。以下は主な対象資料となります。

    • 確定申告書や法人税申告書などの申告書類
    • 会計帳簿、売掛帳、買掛帳、給与台帳などの帳簿
    • 取引書類(領収書、請求書、納品書、契約書など)
    • 銀行口座の通帳や残高証明書
    • 不動産登記簿謄本
    • パソコンやスマートフォンなどに保存しているデータ類

    ※上記以外の資料も事業内容によっては、対象資料になります。詳しくは専門家へご相談ください。

    ★税理士のワンポイントアドバイス

    取引書類をうっかり処分してしまうと消費税の計算上、仕入税額控除の要件を満たさなくなりますので、注意が必要です。また法人の調査で社長個人口座の開示を求められることがあります。個人の通帳に売上に該当するものがないか、確認するためです。

    領収書はどこまで残せばいいのか

    全ての領収書や取引に関する証票は、最低7年間は保管することを推奨します。
    ※青色申告の法人で欠損が発生した年度分は10年間の保管が必要です。

    相続ではどこまで調査されるのか

    相続税の場合、申告された相続財産の全体を詳細に調査します。これには、不動産、預貯金、株式、その他有価証券、生命保険金、退職金など、相続によって受け取った全ての財産が含まれます。また、相続人の贈与履歴も調査の対象となり得ます。

    ★税理士のワンポイントアドバイス

    特に3〜5年前の通帳の出金状況について、生前贈与に該当するものや親族等への貸付になるものがないかチェックされます。

    個人や法人によって、調査範囲は違うのか

    税務調査の範囲は、個人事業主や法人など、調査対象の性質によって異なることがあります。個人事業主の場合、主に所得税が調査の対象となりますが、法人に関しては法人税や消費税、法人事業に関連する各種税金が調査対象となることが多いです。また、法人の場合、経理処理や内部統制システムの適切性も検証の対象に含まれることがあります。

    個人事業主に対する調査では、日々の経費の計上や収入の申告が適切に行われているか、特に現金取引が多い業種では、実際の取引が帳簿に正確に反映されているかなどが確認されます。一方、法人に対する調査では、法人が適用する税務制度の選択が正しいか、複雑な取引の会計処理が適切に行われているか、またグループ企業間での取引が市場原理に基づいて行われているかなどが、検証されることがあります。

    さらに、個人に対する調査と比較して、法人の税務調査はより広範な書類の提出を要求されることが一般的です。これには、経営に関わる重要な意思決定の記録や、海外取引に関する書類、関連会社との取引記録などが含まれます。

    専門家に相談することで、税務調査のプロセスや注意点について詳細なアドバイスを受けることができます。また、税務調査において問題が発見された場合には、専門家のサポートを受けることで、適切な対応策を講じることが可能です。税務調査は誰もが直面する可能性があります。正確な情報と適切な準備をもって臨むことで、その影響を最小限に抑えることができます。

    税務調査への対策としては、日頃からの帳簿や書類の整理整頓、正確な申告の実施、税務知識の向上などが挙げられます。特に、税務調査を受ける可能性が高まる時期や状況においては、事前の準備を怠らず、必要に応じて専門家に相談することが重要です。

    税務調査は税法に基づいた公正なものであり、納税者としては法律に従い、適切な申告と納税を心がけることが最も基本的な対策となります。万が一、税務調査で指摘を受けた場合には、冷静に事実を確認し、適切な対応を行うことが求められます。税務調査のプロセスを理解し、準備を怠らないことで、納税者としての責任を果たし、信頼を守っていきましょう。

    専門家による監修

    本ガイドは、記事の内容に関する広範な知識と実務経験を持つ専門家によって監修されています。専門家による監修は、本ガイドの内容の正確性と信頼性を保証するものであり、読者が安心して情報を活用できるようにするためのものです。監修を担当された専門家の情報は以下の通りです。ご興味がある方は、さらなる情報や個別のご相談について、直接お問い合わせいただければと思います。

    監修:橋本 隆

    茨城県日立市出身。札幌観光大使。中小零細企業の資金調達および事業承継に強い税理士。2003年税理士試験合格。千葉県内の税理士事務所勤務を経て2007年4月BAMCグループに参画。千葉支店長、札幌支店長を歴任。2020年4月税理士法人BAMC代表社員に就任。金融機関、生命保険会社からの依頼で年間100本のセミナーを行う人気講師でもある。

    ※当記事は税理士などの専門家の監修の下、細心の注意を払って作成しておりますが、万が一内容に不備があり、読者に不利益や損害が生じた場合でも、㈱BAMC associatesは責任を負いかねますのでご了承ください。記事に関するご指摘は、大変恐縮ですが、当事務所の「お問い合わせフォーム」からご連絡ください。ただし、記事に関するご質問は回答出来ませんので、あらかじめご理解のほどお願い申し上げます。

    著者
    BAMC 新井
    記事作成日
    2024.05.20

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