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2025.04.04

【還付金はいつ戻ってくる?】確定申告や年末調整後、最短で還付金を受け取る方法を解説

カテゴリー
会計・税金
【還付金はいつ戻ってくる?】確定申告や年末調整後、最短で還付金を受け取る方法を解説

概要

確定申告、還付申告や年末調整は、還付金(払い過ぎた税金)を取り戻すために大切な手続きとなります。その中でも気になるのは「還付金がいつ返ってくるのか?」という期日です。この記事では還付金を受け取る期間が申告方法や時期によって異なるのか、さらに確定申告期間外に行った場合についても詳しく解説していきます。

目次

    1. 還付金とは

    還付金とは、納税者が払いすぎた税金を税務署から返還してもらうお金のことを指します。所得税や住民税は、給与から天引きされたり、事業者が概算で納付したりするため、最終的な税額が過払いとなることがあります。この過払い分を精算する手続きが「還付申告や確定申告」であり、その結果として還付金を受け取ることができます。

    2. 還付申告とは?確定申告との違い

    還付申告とは、納めすぎた所得税を返してもらうための手続きです。通常の確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの期間に行いますが、還付申告はこれに関係なく、過去5年分まで申告することが可能です。

    項目確定申告還付申告
    目的税額の確定と納税納めすぎた税金の還付
    申告期限毎年2月16日~3月15日該当する年の翌年1月1日から5年間
    必要な人事業所得者・不動産所得者
    副業収入などある人
    医療費控除や住宅ローン控除を
    受ける人など
    税金の支払い・還付追加で納税する場合あり還付金を受け取る手続き

    つまり、確定申告は「税金を納める」手続きであり、還付申告は「税金を返してもらう」手続きです。サラリーマンの方で年末調整を受けていない場合や、控除の適用漏れがある場合には、還付申告を活用することで税金を取り戻すことができます。

    3. 還付金が受け取れるケース

    還付金を受け取る主なケースとして、以下のようなものがあります。

    • 年の途中で退職した場合
      会社を退職すると、その後の所得がなくなるため、年末調整で精算されるはずの税金が過払いとなります。確定申告を行うことで、その分の還付金を受け取ることができます。
    • 医療費が年間10万円を超えた場合(医療費控除)
      年間の医療費が一定額(10万円または所得の5%の低い方)を超えた場合、医療費控除が適用され、所得税が軽減されます。確定申告を行うことで、過払い分の税金が還付されます。
    • 住宅ローン控除の初年度
      住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、2年目以降は年末調整で適用されますが、初年度のみ確定申告が必要です。この申告を行うことで、支払った所得税の一部が還付されます。
    • ふるさと納税の控除適用(ワンストップ特例を利用しなかった場合)
      ふるさと納税の寄付金控除を適用するには、確定申告が必要な場合があります。ワンストップ特例を利用しなかった場合は、自分で確定申告を行うことで、税額控除を受け、還付金を受け取ることができます。

    このように、還付金が発生する条件はさまざまですが、還付申告や確定申告を行うことで税金の負担を軽減できる可能性があります。還付の可能性がある場合は、適切な手続きを行い、払い過ぎた税金を取り戻しましょう。

    4. 還付金はいつ振り込まれる?受け取り時期の目安について

    確定申告を行い、還付金が発生する場合、気になるのは「いつ振り込まれるのか?」という点です。還付金の振込時期は、申告方法や申告のタイミングによって異なります。特にe-Taxを利用するか、書面で申告するかによって処理スピードが変わるため、できるだけ早く還付を受けたい場合は適切な方法を選ぶことが重要です。

    確定申告の提出方法ごとの還付時期

    還付金の振込時期は、確定申告の提出方法によって変わります。一般的には、以下のようなスケジュールで還付金が振り込まれます。

    申告方法還付金が振り込まれるまでの目安
    e-Tax(電子申告)約2~3週間
    書面提出(税務署窓口・郵送)約1~2か月

    税務署の処理能力や申告の混雑状況によって、多少の変動はありますが、e-Taxを利用したほうが早いのが特徴です。還付金は確定申告を行った後、税務署で内容を確認し、不備がなければ「指定した銀行口座」に振り込まれます。振込日は申告時に通知されるわけではなく、税務署の審査が完了し次第、振込処理が行われる仕組みです。

    確定申告期間外に申告した場合の処理期間

    確定申告の期間(通常2月16日~3月15日)外に還付申告を行う場合、税務署の処理にどれくらい時間が掛かるのか気になるところです。還付申告は5年前まで、遡って申告可能であり、確定申告期間外に行った場合でも受理されます。ただし、還付金の振込時期は通常の確定申告期間中に行う場合よりも遅くなる傾向があります。

    申告のタイミング還付金の振込目安
    確定申告期間内(2月16日~3月15日)e-Tax:約2~3週間 / 書面:約1~2か月
    確定申告期間外(3月16日以降)約1.5~3か月

    税務署の繁忙期(4月~5月の法人税申告時期など)と重なると、通常よりも処理に時間がかかることがあります。還付金をスムーズに受け取るためには、e-Taxの利用や書類の正確な記入がポイントとなります。事前に準備を整え、適切なタイミングで申告を行うことで、できるだけ早く還付金を受け取るようにしましょう。

    年末調整後に還付金はいつ受け取れる

    年末調整後、還付金が振り込まれるタイミングは通常、12月~1月頃が一般的ですが、状況によって2月になります。ただし、還付金が支払われる具体的な日程は会社によって異なる場合があり、通常は給与の支払日に合わせて還付金が振り込まれることが多いです。

    5. 還付金の計算式(源泉徴収税額・所得税額)

    還付金の基本的な計算式は以下のとおりです。

    還付金=源泉徴収税額−実際の所得税額

    ここで使われる「源泉徴収税額」と「実際の所得税額」の違いを理解しておきましょう。

    (源泉徴収税額)

    給与や報酬を受け取る際に、差し引かれている税額(年末調整や確定申告で確定する所得税を、あらかじめ概算で計算して、給与や報酬から差し引く金額)

    (実際の所得税額)

    確定申告や年末調整にて計算した、本来支払うべき所得税額

    例えば、1年間で会社から受け取った給与の源泉徴収税額が10万円だった場合、確定申告で計算された本来の税額が7万円であれば、差額の3万円が還付金として戻ってきます。

    6. 控除を適用することで還付額を増やす

    確定申告や年末調整などをすることで、以下の控除を適用できるケースがあり、結果的に還付金が増えることがあります。

    • 医療費控除(年間10万円以上の医療費がある場合)
    • ふるさと納税の寄付控除
    • 住宅ローン控除(初年度申告が必要)
    • 配偶者控除・扶養控除の適用漏れ修正

    これらの控除を活用すれば、課税所得を抑えて還付額を増やすことが可能です。

    7. 還付申告の期限に注意

    申告には期限があります。期限を過ぎてしまうと、還付金を受け取れなくなる可能性があるため、注意が必要です。

    還付申告の期限(5年間)について

    還付申告には5年の申告期限があります。これは、還付申告を行ってから5年以内に申告を行わなければならないという規定です。申告期限を過ぎると、その年度分の還付金を受け取ることができません。具体的には、以下のようになります。

    1. 申告を行った年の翌年1月1日から5年間
    2. 5年間経過後の申告は無効

    還付申告の期限は厳密に適用されるため、早めに申告を済ませることをおすすめします。

    還付金の受け取り時期は、申告方法や申告時期によって異なりますが、e-Taxを利用すれば迅速に還付を受け取ることができます。書面での申告の場合でも、しっかりと準備をして正確に申告することで、早めに還付金を手にすることが可能です。遅れずに手続きを行い、税金の過払い分を受け取りましょう。

    専門家による監修

    本ガイドは、記事の内容に関する広範な知識と実務経験を持つ専門家によって監修されています。専門家による監修は、本ガイドの内容の正確性と信頼性を保証するものであり、読者が安心して情報を活用できるようにするためのものです。監修を担当された専門家の情報は以下の通りです。ご興味がある方は、さらなる情報や個別のご相談について、直接お問い合わせいただければと思います。

    監修:橋本 隆

    茨城県日立市出身。札幌観光大使。中小零細企業の資金調達および事業承継に強い税理士。2003年税理士試験合格。千葉県内の税理士事務所勤務を経て2007年4月BAMCグループに参画。千葉支店長、札幌支店長を歴任。2020年4月税理士法人BAMC代表社員に就任。金融機関、生命保険会社からの依頼で年間100本のセミナーを行う人気講師でもある。

    ※当記事は税理士などの専門家の監修の下、細心の注意を払って作成しておりますが、万が一内容に不備があり、読者に不利益や損害が生じた場合でも、㈱BAMC associatesは責任を負いかねますのでご了承ください。記事に関するご指摘は、大変恐縮ですが、当事務所の「お問い合わせフォーム」からご連絡ください。ただし、記事に関するご質問は回答出来ませんので、あらかじめご理解のほどお願い申し上げます。

    著者
    BAMC 新井
    記事作成日
    2025.04.04

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