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2024.10.30

【初心者】年末調整の仕組みから控除活用までわかりやすく解説

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確定申告
【初心者】年末調整の仕組みから控除活用までわかりやすく解説

概要

年末調整は、会社員(給与所得者)の納付する所得税を調整するために必要な手続きのことです。本コラムでは、年末調整の概要から、確定申告との違い、具体的な流れやポイント、控除の活用法まで詳しく解説します。

目次

    年末調整とは

    年末調整とは、給与所得者が1年間に支払うべき所得税を計算して、源泉徴収(※)にて毎月給与から天引きされていた金額に対して、過不足を調整するための手続きです。

    ※源泉徴収

    会社員やアルバイトなど、給与所得者は毎月の給与から「源泉徴収」という形で概算の所得税が天引きされています。源泉徴収は、雇用者(給与支払者)が従業員の毎月の給与から所得税をあらかじめ徴収して納付する制度となります。

    なぜ納付した所得税額の過不足が発生するのか?

    納付する所得税の金額は、通常その年の1月1日から12月31日までの所得額に基づいて計算されます。しかし、年初にはその年の最終的な給与額や控除額が分からないため、毎月源泉徴収で天引きされている金額は、あくまで概算の所得税額となります。そのため、年間を通して源泉徴収された所得税額と、年末に確定した実際の所得税額に差が生じることがあり、この差額を調整するのが「年末調整」です。もし、実際に納付すべき税額よりも多く源泉徴収されていれば税金が還付され、逆に少なければ追加で徴収されることになります。

    このように、年末調整は、1年間の所得税を正確に算出し、給与所得者が適切な税額を負担するために必要な手続きとなっております。

    年末調整と確定申告の違い

    年末調整と確定申告は同じような時期に行われ、納税する金額を計算するという点で、似たような点が多く、比較されやすい手続きとなっております。その内容や対象者など、具体的な違いを比較しながら見ていきましょう。

    年末調整確定申告
    対象給与所得者が主な対象です。具体的には、会社員や公務員、アルバイト、パートなど、会社から給与を受け取っている人です。




    主に自営業者やフリーランスの方が対象ですが、給与所得者であっても以下の条件に当てはまる場合は確定申告が必要です。
    ・年収が2,000万円を超える人
    ・副収入がある人(20万円を超える場合)
    ・年末調整で対応できない控除を受けたい人
     (医療費控除、住宅ローン控除など)
    ・年末調整でカバーされない控除や所得がある人
    期日その年の10月頃から翌年1月翌年の2月16日から3月15日
    対応勤務先の会社で行います。従業員は会社に必要書類を提出し、経理部門などが手続きを進めます。

    納税者が自ら(または税理士)税務署に申告書を提出します。現在では電子申告(e-Tax)も利用可能で、自宅のパソコンやスマートフォンから手続きができるようになっています。
    内容年間の給与に対して支払うべき所得税額を会社が計算し、過不足を調整する手続きです。

    年間の総所得をもとに、納税者自ら(または税理士)が税額を計算し、税務署に申告する手続きです。年末調整ではカバーできない収入や控除を含め、最終的な税額を確定させます。

    年末調整の流れ

    step.1 必要書類の準備

    主な必要書類は以下の通りです。

    • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
    • 給与所得者の保険料控除申告書
    • 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
    • 住宅借入金等特別控除申告書

    以下のような書類についても、適用する控除によっては必要になります。

    • 年末残高証明書(2年目以降の住宅ローン控除受ける場合)
    • 生命保険料控除証明書
    • 個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金控除証明書
    • 配偶者の源泉徴収票や収入証明 etc
    step2. 申告書の記入

    扶養家族の情報や保険料、住宅ローン控除の情報など必要事項を記入します。

    step.3 会社への提出

    記入が終わった申告書を会社に提出します。

    step.4 精算結果の通知

    結果が通知され、還付金や追加徴収の金額が明示されます。また還付金は、早ければ12月、通常は翌年1月から2月に支給されることが多いです。

    年末調整の注意点

    年末調整をスムーズに進めるために、以下のポイントを確認しておきましょう。

    1. 年間所得の見積もり

    自分の年間収入を把握し、必要書類の確認を行いましょう。

    2. 控除の対象確認

    基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除などが該当するか確認します。

    3. 必要書類の早期準備

    書類を早めに揃え、手続きに遅れが出ないようにしましょう。

    主な控除の種類

    年末調整では、税負担を軽減するための各種控除の適用が可能です。

    基礎控除すべての納税者に適用され、48万円が控除されます
    また48万円が控除されますが、所得が2,400万円を超えてしまうと
    基礎控除額は段階的に減らされ、2,500万円を超えると
    控除額は0円となります。
    配偶者控除配偶者の所得が48万円以下の場合、38万円の控除が受けられます
    また、納税者の合計所得金額により控除額が変動します
    配偶者特別控除配偶者の所得が48万円超133万円以下の間にある場合
    所得に応じて控除額が変動します。
    また、納税者の合計所得金額により控除額が変動します。
    扶養控除扶養親族の合計所得が48万円以下であれば、控除が受けられます
    ※扶養人数にて控除額が異なります
    生命保険料控除生命保険等に支払った保険料に対し、最大12万円の控除が受けられます
    社会保険料控除支払った健康保険や年金保険料が全額控除される
    小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済や確定拠出年金の掛金全額が控除対象となる

    ★税理士からのワンポイントアドバイス

    配偶者控除/配偶者特別控除については合計所得金額が1,000万円を超える場合、給与所得のみ(※1)だと子育て・介護世帯は年収1,210万円超、それ以外の世帯は年収1,195万円超)、配偶者控除は受けられません。

    ※1:給与等の収入が850万円を超え、23歳未満の扶養親族を有する場合等は、給与所得控除が最大15万円増えます(所得金額調整控除)

    また医療費控除を受ける場合(医療費が10万円超又は総所得の5%超)や住宅借入金特別控除(住宅ローン控除)を初年度に受ける場合、かつ、ふるさと納税をした場合は確定申告が必要となります。

    このコラムを通じて、年末調整の仕組みや確定申告との違いを把握し、手続きをスムーズに進めていただければと思います。わからない点や不安な部分があれば、専門家に相談して適切な対応を心がけてください。

    専門家による監修

    本ガイドは、記事の内容に関する広範な知識と実務経験を持つ専門家によって監修されています。専門家による監修は、本ガイドの内容の正確性と信頼性を保証するものであり、読者が安心して情報を活用できるようにするためのものです。監修を担当された専門家の情報は以下の通りです。ご興味がある方は、さらなる情報や個別のご相談について、直接お問い合わせいただければと思います。

    監修:今井

    東京都出身。中小企業のコンサルティングに強い税理士。BAMCグループへの参画前には相続税に特化した税理士事務所に勤めており、多数の相続案件に携わる。現在は売上規模数十億を超える顧客を担当しており、最前線で活躍している税理士。

    ※当記事は税理士などの専門家の監修の下、細心の注意を払って作成しておりますが、万が一内容に不備があり、読者に不利益や損害が生じた場合でも、㈱BAMC associatesは責任を負いかねますのでご了承ください。記事に関するご指摘は、大変恐縮ですが、当事務所の「お問い合わせフォーム」からご連絡ください。ただし、記事に関するご質問は回答出来ませんので、あらかじめご理解のほどお願い申し上げます。

    著者
    BAMC 新井
    記事作成日
    2024.10.30

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