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2024.05.07

税務調査の対象になる確率は?対象になりやすい法人と個人事業主の特徴

カテゴリー
会計・税金
税務調査の対象になる確率は?対象になりやすい法人と個人事業主の特徴

概要

今回の記事では税務調査の対象となる確率や税務調査の対象になりやすい法人、個人事業主、副業を持つサラリーマンの特徴について解説します。

目次

    税務調査の対象になる確率

    税務調査は、法人だけでなく個人事業主も含めたすべての納税者が対象になり得ます。しかし、すべての納税者が調査を受けるわけではありません。調査対象となる確率は、個人事業主であれば約0.5〜1.5%、法人であれば約1.5~3.0%とされており、一般的には個人事業主よりも法人の方が高い傾向にあります。特に申告内容に矛盾や不明瞭な点がある場合、または業種によって特定のリスクが認識される場合に調査を実施することが多いです。個人では、特に高額な取引や不動産の譲渡、海外取引がある場合に注意が必要です。またランダムなサンプリングに基づいて選ばれることもあります。

    税務調査はいくらから

    一般的には、売上が1,000万円を超えるケースがしばしば挙げられます。これは、企業が消費税の課税事業者として登録され、非課税の枠から脱し、消費税の納税義務が発生する分岐点に達するからです。しかし、実際には明確な基準はなく、異常な利益の変動、高額な経費申告、繰り返しの過少申告など、不審な経費の計上、申告漏れの疑いなどがある場合には、調査対象となる可能性があります。税務調査は、正確な納税を促すために行われるもので、適切な申告と誠実な対応を心掛けることが重要です。

    税務調査が入りやすい時期

    税務調査は年中行われていますが、特に確定申告の締め切り後や、財政年度の終わりに向けて活発になる傾向があります。これは、税務署が新たな申告書を受け取り、前年度の申告内容と比較検討する作業が行われるからです。また、特定の業種や申告内容に応じて、時期を問わず調査が行われることもあります。

    税務調査の対象になりやすい法人の特徴

    税務調査の対象になりやすい法人は、特定の特徴を持っていることが多く、これらを理解することは、リスク管理に役立ちます。法人として、これらの特徴に注意を払い、適切な税務管理を行うことが重要です

    事業規模が大きい法人:

    大きな事業規模を持つ法人は、税務調査の対象になりやすいとされています。売上高や利益の大きさが、調査の対象となることが多いです。

    売上や利益が大きく変動している法人:

    数年の間に売上や利益に大きな変動がある場合、調査の対象となりやすいです。

    不正が多い業種に属する法人:

    過去のデータや統計に基づいて不正が発生しやすいとされる業種は、税務調査の対象になりやすいです。

    過去の税務調査で指摘を受けている法人:

    過去に指摘を受けた法人は、再調査の対象になりやすいです。特に指摘内容が重大だった場合、その後の申告内容も細かくチェックされる傾向があります。

    海外取引が多い法人:

    輸出入や海外子会社からの送金が頻繁にある法人は、移転価格税制や海外税額控除の適用などで、複雑で正確な計算が求められるため、税務調査の対象になりやすいです。

    キャッシュフローと利益の不一致:

    会計上の利益と実際のキャッシュフローに大きな差異がある場合、税務調査の対象になりやすいです。特に、利益は出ているのに手元の現金が少ない場合などが該当します。

    特定の控除や免税の多用:

    研究開発費の控除や投資促進税制など、特定の税務上の優遇措置を大量に利用している法人は、その適用条件が適切に満たされているか税務調査の対象になります。

    高額な役員報酬や接待費:

    役員報酬や接待費が業界平均を大きく上回る額である場合、税務調査でその妥当性が問われることがあります。

    ★税理士からのワンポイントアドバイス

    税務調査があった場合、少しでも追徴されないといけないという、いわゆる「お土産」が必要だという話を良く耳にしますが、誤った情報です。適正かつ正確な申告を行うことで追加納税ゼロというケースは多々あります。

    税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴

    申告漏れや不正確な申告、大幅な収入の変動、高額控除の申告は税務署から注目を集めるキッカケになり、税務調査の対象になる可能性があります。個人事業主や副業を持つサラリーマンは、納税申告における正確さと透明性を確保し、税務調査のリスクを軽減するための対策を講じることが重要です。

    売上が大きく増加している:

    急激に売上が増加した場合、脱税のリスクを排除するために、税務調査の対象になる場合があります。

    業種特有の高額な現金取引:

    飲食業や美容業など、現金取引が多い業種においては、収入の申告漏れが発生しやすく、税務調査の対象になりやすいです。

    経費の異常な増加:

    前年と比較して経費が異常に増加しているなど、個人的な支出を経費に計上していないか注目されやすくなります。

    複数の収入源や事業を持つ:

    異なる事業や複数の収入源を持つ個人事業主は、申告内容が複雑になるため、漏れや誤りが生じやすく、税務調査の対象になりやすいです。

    サラリーマンの副業が税務調査の対象になる確率は?

    サラリーマンが副業で得た収入についても、もちろん申告義務があります。副業による収入が20万円以上の場合、確定申告が必要です。無申告の場合、金額に関わらず税務調査の対象になりやすくなるので、注意しましょう。正しく申告を行うことで、税務調査のリスクを低減させることができますが、不適切な申告を行った場合、税務調査の対象となる確率は高まります。副業による収入がある場合は、注意が必要です。

    税務調査への対応は、多くの納税者にとって避けて通れない道です。法人や個人事業主、さらには副業を持つサラリーマンまで、税務調査のリスクは身近なものとなります。今回の記事では、税務調査の対象になる確率や、対象となりやすい特徴について解説しました。

    税務調査の対象になる確率は一概には言えませんが、特定の条件や状況下では、そのリスクが高まります。例えば、売上が1,000万円を超える法人、急激な売上増加を見せる個人事業主、不審な経費計上や収入の申告漏れが疑われるケースなどです。これらの状況を事前に認識し、適切な対策を講じることが、税務調査のリスクを低減する鍵となります。

    特に重要なのは、日頃からの適切な記録保持と、正確な税務申告の実施です。また不明点や不安がある場合は、早めに税理士などの専門家に相談することをオススメします。専門家の助言により、申告漏れや誤りを防ぐことができ、万が一税務調査を受けた際にも、スムーズかつ適切に対応することができます。

    専門家による監修

    本ガイドは、記事の内容に関する広範な知識と実務経験を持つ専門家によって監修されています。専門家による監修は、本ガイドの内容の正確性と信頼性を保証するものであり、読者が安心して情報を活用できるようにするためのものです。監修を担当された専門家の情報は以下の通りです。ご興味がある方は、さらなる情報や個別のご相談について、直接お問い合わせいただければと思います。

    監修:橋本 隆

    茨城県日立市出身。札幌観光大使。中小零細企業の資金調達および事業承継に強い税理士。2003年税理士試験合格。千葉県内の税理士事務所勤務を経て2007年4月BAMCグループに参画。千葉支店長、札幌支店長を歴任。2020年4月税理士法人BAMC代表社員に就任。金融機関、生命保険会社からの依頼で年間100本のセミナーを行う人気講師でもある。

    ※当記事は税理士などの専門家の監修の下、細心の注意を払って作成しておりますが、万が一内容に不備があり、読者に不利益や損害が生じた場合でも、㈱BAMC associatesは責任を負いかねますのでご了承ください。記事に関するご指摘は、大変恐縮ですが、当事務所の「お問い合わせフォーム」からご連絡ください。ただし、記事に関するご質問は回答出来ませんので、あらかじめご理解のほどお願い申し上げます。

    著者
    BAMC 新井
    記事作成日
    2024.05.07

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